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でも [?な訳文]

 悲しげにも見える黒い瞳。小さな可愛い耳。でも、なにか特別に変わったことが、このネズミにあるようには見えない--米国南東部の牧草地や浜辺を小走りに動き回るハイイロシロアシマウス。その一生は、むしろ単調な日々の連続だと言ってよい。

 しかし、子孫を残すことについては、哺乳類の中では例外と言える際立った特性を持つ。一夫一婦制を貫くことだ。しかも、細心の注意を払って、子育てをする。

 これはある新聞に載っていた外国ニュースの翻訳記事冒頭である。これを読んで「でも」に引っ掛かってしまった。「でも」は「前の事柄に対し、後の事柄が反対・対立の関係にあることを示す」(日本国語大辞典)接続詞だが、前の文と後続の文が対立していないからだ。そこで、原文を探してみると、

The oldfield mouse doesn’t seem extraordinary. With soulful black eyes and tiny teacup ears, the rodent lives a humdrum life scurrying about meadows and beaches in the Southeast.

But field biologists have long known that when it comes to sex and family life, this mouse is remarkable: Peromyscus polionotus is monogamous -- an exception among mammals -- and a solicitous parent.

となっていた。これを見ると「でも」に相当する語はなく、この段落の中には対立関係もない。後続の段落が But で始まっているのを見れば分かるように、対立関係は次の段落との間にある。従って、最初の段落の中で「でも」とするのは好ましくない。なお、文の順番が異なるが、これは英文と和文の文法や構成法の違いに合わせたもので、和文記事として差し障りはない。

 訳すとすれば、

 ハイイロシロアシマウスは、ごくありふれたネズミだ。潤んだ黒い瞳に小さな丸い耳。米国南東部の草地や浜辺を走り回るのを日課にしている何の変哲もないネズミである。

 しかし、……

といったところだろうか。


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