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Kg [?な言葉]

 某翻訳会社の指示に

単位:半角英数字(例:(誤)キログラム→(正)Kg)

とあった。おそらくは、したり顔をして書いたであろうこういう指示を見ると、げんなりしてしまう。

 単位をその名称で書くか、記号で書くかは、選択の問題であり、読みやすいかどうかなどで決めればいいことだ。翻訳者がどうこういう必要はない。

 しかし、Kg は誤りである。単位を云々するなら国際単位系について確認すべきだが、これを書いた人物は確認しなかったようだ。1000 を表す接頭語は小文字の k であるから、この場合は kg としなければならない。ちなみに、大文字の K は絶対温度を表し、したがって Kg と書けばこれは温度と質量の積を表すことになる。


窓をくりぬく [?な言葉]

 ある新聞記事に、

(埠頭近くに船舶用コンテナを置き、その)海側の窓をくりぬいてカウンターを設け……

とあった。この文面から想像されるのは、窓つきのコンテナがあり、その窓に穴を開けてカウンターを作った、という状況だが、窓のあるコンテナなんてあるのだろうか。また、カウンターは窓を貫通して設置されているのだろうか。

 記事に付された写真を見れば、実際には次のような状況であることがわかる。

海側の壁面をくりぬいて窓を作り、カウンターを設け……

 「くりぬく」は、

物をえぐって穴をあける。えぐって中の物を取り出す。「岩壁を―・く」「目玉を―・く」(大辞泉)

えぐって穴をあけ,中のものを取り出す。「カボチャの中身を―・く」(大辞林)

えぐって△穴を開ける(中の物をそっくり取り出す)。(新明解国語辞典

えぐって〈穴をあける/まるごと取り出す〉。(三省堂国語辞典)

という意味であり、「窓をくりぬく」と言えば窓に穴を開けることを意味する。さらに言えば、窓は通常薄いから、「くりぬく」という語は不適当だろう。

 もっとも、「湯を沸かす」という表現に見られるように、「を」には動作の結果を示す使い方がある。記者が思わず「窓をくりぬく」と書いてしまった背景にはそうした語感があったのかもしれない。それなら、

海側の壁面に窓をくりぬき、カウンターを設け

とすべきだったろう。


優遇される条件としては、……が重要視されます [?な言葉]

 ある翻訳会社の募集記事にあった文言である。

優遇される条件としては、都心へのアクセス、PCスキル、リサーチ能力、ご経験等が重要視されます。

 言葉を扱うことを生業とする会社が、こうした文を書くというのは、どういうわけだろう。普通の言語感覚なら、

審査では、都心へのアクセス、リサーチ能力、パソコンスキル、ご経験などを重視いたします。

などとするところである。問題点は2つある。

 一つは「優遇」と「重要視」がダブっている点。「優雅される条件は……です」「条件としては……が重要視されます」などとすべきだろう。

 もう一つは、受動態になっている点。自社ではない誰かの理由によってこういう条件が付いていると暗黙裏に(無意識に?)主張している。自社が自社の都合によって自社のために募集するのであれば、この条件は自社が決めたはずである。ならば、能動態で書いて自社の責任を明らかにすべきである。

 こういう文言を見て、応募する人はいるのだろうか。あるいは、どんな人が応募するのだろうか。


声を出して読む? [?な言葉]

 音読を「声を出して読む」と説明されることがあるが、この表現には何となく違和感がある。読んでいる内容を声にしながら読むのだから、「声に出して読む」と言うべきではないのかと思うのだ。と思って辞書を繙いてみると、何と「声を出して読むこと」とある。ならば、実際の用例はどうかとウェブを検索してみると、「声に出して読」は2000件余、「声を出して読」は600件余だった。

 筆者の感覚では、「声を出して読む」の場合、発声は読書と無関係のように感じられる。


多岐 [?な言葉]

 某IT系ニュースサイトの記事である。

対象となるのは「一太郎2006」から最新版の「一太郎2013 玄」まで多岐にわたっている。

 「多岐」は辞書によると

  • 道が幾筋にも分れていること。また、物事が多方面に分れていること。「―にわたる問題」(広辞苑)
  • 〔道が多方面に分かれている意から〕物事が多方面にかかわりをもつ・こと(さま)。「問題が―にわたる」「複雑―」(大辞林)
  • 道筋がいくつにも分かれていること。物事が多方面に分かれていること。また、そのさま。「話題が―にわたる」(大辞泉)

である。記事に近い内容で用例を作れば、

対象となるのは、ワープロ、表計算、描画ソフトなど、多岐にわたる。

といったところだろうか。

 しかし、記事が挙げている「岐」は、いずれも「一太郎」であって、多方面に分かれてはいない。「最新版の」と言っているのだから、バージョンの違いであることは認識しているようだ。ならば、

対象となるのは、「一太郎」シリーズのうち、「一太郎2006」から最新版の「一太郎2013 玄」までの広範なバージョンだ。

といった表現が妥当ではあるまいか。

 百歩譲ってバージョンの違いを「多岐」だとしても、せめて、

対象は「一太郎2006」から最新版の「一太郎2013 玄」まで、多岐にわたる。

程度に表現できないものか。


胸を触る [?な言葉]

 最近「胸を触る」などという表現をよく目にする。この表現、非常に耳に障る。「胸に触る」とすべきではないのだろうか。

 「……を気づく」と同じ現象なのかもしれない

 「触る」ではなく「触れる」についてだが、石川九揚氏は、次のように書いている。

日本語では、「山を見る」「音楽を聴く」「木犀の香りを嗅ぐ」「コーヒーを味わう」のように「を」の助詞を使う。ところが、触覚に関しては、「瓶を触れる」とは言わずに、「瓶に触れる」と言う。


機能を回復する [?な言葉]

 朝日新聞ウェブ版の記事、2013年9月26日6時37分付け「脳死移植の肺機能を回復 岡山大、装置を国内初導入」を読んでいて、

この装置を使うことで、たんを取り除いたり、薬を循環させて余分な水分を吸収したりして機能を回復する。

の個所で、引っかかった。「……機能を回復させる」とすべきではあるまいかと思ったのである。

 「回復する」について大辞林は、

(1)一度悪い状態になったものが,元の状態になること。「天候が―する」「景気が―する」

(2)一度失ったものを取り戻すこと。「権利を―する」「名誉を―する」

と説明している。(1)は自動詞の用法。(2)は他動詞で、例文から、目的語(一度失ったもの)の所有者が主語になるようだ。

 上の記事の場合、主語は医者または技術者だろう。つまり、人が肺に溜まった痰を取り除いたり……水分を吸収したりするということだろうと思われる。ならば、「機能を回復する」のは、そうした操作をする人のはずだ。しかし、(2)の用法では、主語は「肺」でなければならない。だから、違和感が生ずるのだろう。

 ついでに言えば、「水分を吸収する」も肺が水分を吸収するのではないかと思う。肺の血管に薬を循環させ、生体中の肺のように肺の中に溜まった水分を吸収するのだろう。この場合も、「吸収させたり」の方が適切なように思われる。

 ウェブ上の新聞記事には、こうした自動詞と他動詞の誤用がよくある。印刷物の場合は校閲が行き届いているが、24時間絶え間なく記事を配信するウェブ版では難しいのかも知れない。また、海外物のオンラインニュースの日本語版を見ると、読むに堪えない日本語が氾濫している。編集者の日本語力が低下しているのだろう。あるいは、編集能力に欠ける人物が編集職に就いているのではあるまいか。


おそらく……かもしれない。 [?な言葉]

 あるテレビ番組のナレーションで、

おそらく……かもしれません。

と語っていた。

 辞書によれば、「おそらく」は

1 確度の高い推量を表す語。きっと。「明日は―雨だろう」(大辞泉)

(1) 下に推量の表現を伴って,かなり確実な推量判断を導く。(大辞林)

(3) 思うに。多分。(広辞苑)

 「かも」は

「か」一3 不確かな断定を表す。(大辞泉)

「かもしれない」 可能性はあるが,不確実である意を表す。(大辞林)

「かもしれない」 その可能性があるが確かではない。(広辞苑)

である。

 「おそらく……かもしれない」というのは、確度が高いのか低いのか?


指摘される [?な言葉]

 新聞記事を読んでいて、

国際水連は、……

平泳ぎは「飛び込んでから、ドルフィンキック1回と、1かき、1けり」と決められている。しかし審判がプールサイドから確認することが難しく、違反者がいる可能性を指摘されていた。

の件に違和感を覚えた。より具体的には、「違反者がいる可能性を指摘されていた」という個所である。

(彼は)彼女に、違反者がいる可能性を指摘した。

彼女は、(彼から)違反者がいる可能性を指摘された。

という受動態は自然だ。しかし、主語を具体的に述べない場合は、

違反者がいる可能性が指摘された。

とするだろう。英文法風に言えば、「指摘する」という動詞は二重目的語を取り、そのいずれについても受動態を構成することができるということだ。

 記事の場合、前半の節の主語は「審判」だが、後半の節の主語はそれとは異なる。内容から「国際水連」だと思われる。だから、

しかし審判がプールサイドから確認することが難しく、国際水連は違反者がいる可能性を指摘されていた。

とすれば問題はない。「国際水連」を省いた場合は、

しかし審判がプールサイドから確認することは難しく、違反者がいる可能性が指摘されていた。

とすべきだと思われる。


きしくも [?な言葉]

 あるインタビュー番組で、インタビューを受けていた俳優が「きしくも」と言っていた。

 ふむ。聞き慣れない言葉だ。聞き間違いかもしれないが、前後の発言からは「奇しくも」のつもりだったように思われる。「奇」の音は確かに「き」だから「き・しくも」と読めなくもないが、「奇しくも」は「くし」と「も」で構成されている言葉だ。文部省唱歌「冬の星座」の一節「奇しき光よ」の「奇し」の同類である。

 文字だけで覚えた言葉は、とかく誤読したまま覚え込んでしまいがちだ。こまめに辞書を引けばよいのだが、若い頃に間違えて覚えてしまった言葉は気付きにくく、思わぬところで発覚して赤面することになる。自戒せねば。


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